目的と手段の関係
目的と手段という概念についてシンプルに整理した。
目的も手段も「行為」である
手段は行為だ。また行為には理由があり、その理由が目的である。
目的も行為である。私たちはある目的を達成するために、手段を講じる。
例えば「会社の目的は利益である」という命題も、目的を表す表現としては正確ではない。より正確に表現すると「会社の目的は利益を獲得することである」といった「行為」が含まれた表現になる。
「利益」という名詞だけでは何をしたいのかがわからないからである。
目的と手段はn:nの階層構造を持つ
目的も手段も行為だとすると、ある目的の上位にある目的も行為になる。
この上位の目的からすると、下位の目的は手段となる。この意味で、目的と手段の構造は階層状になることがわかる。(目的と手段の階層構造と何度も書くのは面倒なので、目的構造と呼ぶことにする。)
「会社に行く」という行為を例にとって考える。会社に行く目的は「仕事をする」ための手段であり、「会社に行く」ためには「電車に乗る」という手段がある。
図で表すと以下のようになる。
また、この場合「会社に行く」という目的を達成するための手段は複数考えられる。例えば「電車に乗る」だけでなく、「タクシーに乗る」という手段も考えられる。
逆に、ある手段は複数の目的を持つ場合がある。例えば、「仕事をする」という手段の目的は「収入を得る」や「経験を積む」というような形で複数の目的を持ちうる。
よって、目的と手段はn:nの関係を持つことが言える。
先程の、階層構造の件と合わせたものを図で表現すると以下のようになる。
※ ちなみにこの階層構造は、ロジックツリーではない。